ケアマネ / 優しいひと

幸せでありますように

今日、担当の利用者さんを特養へ送り出した

自宅での介護が難しくなり

小規模多機能で一年、その後半の約3ヶ月

泊まりを利用していた女性である

重度の認知症で、受け答えは全くできない

生活動作の全てが要介護の状態

病気を持つ夫が介護を担っていた

夫の病状が悪化し、在宅での介護が困難になり

半ば強引に緊急保護した

指示が通らず、徘徊を続ける利用者さんは

手がかかるので嫌がられることが多い

他の利用者さんから嫌がられたり、時には手を出されたりして

対応が難しい方だったが

私は大好きな利用者さんだった

他の職員の呼びかけにはあまり答えてくれなかったが

下の名前を、愛称のように、私が呼ぶと

「はあい」と答えてくれた

手を繋いで一緒に歌うとニコニコと笑ってくれる

他の職員には叩いたり暴れたりするが、

初めから「ごめんね、ごめんね」と言って介助する私に対しては

拒否はしても大暴れすることはなかった

ここ数週間

引き継ぎや何かで、なかなか会いに行けなかったが

最後の日は、しっかりと送り出したいと朝から訪問する

職員に介助されて部屋から出てきた利用者さん

私を見つけると、

すっと手を伸ばし、左手を握ってきた

そして、笑顔で言う

「せんせ、きたんですか」「きたんですか、そうですか」

はい、来ましたよ

最後の日なので、会いたくて

もう何日も会っていなかったのに

いつもと変わらず、

優しい笑顔で、

しっかりと私の手を取ってくれる

毎朝の便だらけのオムツ交換も

手づかみで食べてしまうご飯も

尿量に一喜一憂したバルン管理も全て

思い出したら、涙が出てきた

ごめんね

本当はもっと一緒にいたかった

できることなら、お父さんと一緒の生活に

戻してあげられたらよかったのにね

これが、今の最善だと思うけれど

本当にこれで良いのかはわからない

かわいい人だったね

寂しくなるね

しんみりしながら、見送った

どうか

これからの生活が

穏やかで、優しい、幸せなものでありますように

心から願う

本当に、ありがとう

あなたと過ごせて、幸せでした

ほんとうに

大好きでした

投稿者

yumekopitensi@yahoo.co.jp
ケアマネ歴4半世紀の対人援助職。対人援助職者へのスーパービジョンと算命学を基にした自己覚知支援を使命にしております。

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